2021年度より日本の持続可能な開発のための教育推進会議(ESD-J)と台湾の中華民国環境教育学会(CSEE)との交流活動は継続して行われて来た。2024年は、5月29日から6月4日にかけてCSEEから「縣市環境教育人員(環教大使)国際交流学習」と称し、27名の教員等が来日した。ESD-Jは、彼らの訪日が充実したものとなるよう支援を行った。
横浜自然観察の森
横浜自然観察は、市民が自然と親しみ、自然を知る活動を支援するための社会教育施設であり、環境教育・環境保全ボランティア育成の推進拠点としての役割について学び、実際に森を散策しながらプログラムを体験すること、職員との意見交換を実施することを視察の目的とした。
まず、横浜自然観察の森の松本 麻依氏より、ご挨拶、自己紹介とスライドに基づいて施設紹介をしていただいた。横浜市の緑の量の変化、緑地を守る取り組みや緑地の保全のため横浜市が独自に徴収している「みどり税」について説明していただいた。「生きもののにぎわいのある森」を維持するための活動の柱は、①つたえる・人を育てる(環境教育)、②しらべる(環境調査)、③ととのえる(環境管理)の3つであり、それを横浜市、常駐する専門家(レンジャー)を中心とする同施設、市民ボランティア「友の会」が支えている。
横浜市の小学校をはじめとする数多くの教育機関が年間を通じて同施設を訪問するが、そのプログラムづくりの手順と内容について説明していただいた。先生との打ち合せ①、事前学習、先生との打ち合せ②と現地下見、そして当日学習(3時間程度)の実施というプロセスについて説明された。
次に施設内を自由に見学した後、森の中を実際に散策しながら、子どもたちを対象とした学習プログラムの一部を体験した。五感を使って観察することや、散策の際の注意点などが説明された。フィールドプログラムの最中に質疑を行った。フィールドプログラムは40分程度だったが、参加者からはもっと散策の時間がほしかった、もっと色々な質問をしたかったといった声があがった。
台湾環教大使訪日の全日程の詳しい報告はPDF(報告書)をご参照ください。