「木を植える人を育てる」という理念のもと、環境分野で活躍する人材の育成と環境保全に関する活動・研究への支援をしてこられた SOMPO 環境財団様の活動について伺いました。
1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された、環境と開発をテーマとする国際会議に親会社(現・損保ジャパン日本興亜(株))の当時の社長が参加し、これからは”環境”と”NGO”の時代になると確信したことを契機に、企業グループとしての環境取り組みをスタートしました。1999年4月、グループのCSRの一環として地球環境保全に資することを目的とし、SOMPO環境財団(2020年1月(公財)損保ジャパン日本興亜環境財団より名称変更)を設立しました。
当財団の活動の柱の一つとして、20年間継続している「CSOラーニング制度」があります。この制度は、大学生・大学院生を8ヶ月間インターンとしてCSO( Civil Society Organization =NPO/NGO)に派遣する制度で、活動時間に応じて奨学金を払う仕組みです。2000年より累計1,000名以上をCSOに派遣してきました。本事業が長く継続している理由としては、何よりも学生の受け入れ団体の協力と理解を得られてきたこと、そして学生と受け入れ団体双方のニーズを満たし、一定の成果をあげてきたことがあげられると思います。
本制度への参加により、学生たちはインターン先CSO、OB/OG、同期のインターン生から刺激を受けて一層、環境や社会貢献活動への関心を深め、ネットワークを活用してこれまで興味のなかった分野の活動にも積極的に参加したり、環境・非営利組織に関連するキャリアを目指したり、獲得した知識・経験を活かしたポジティブな行動変革をもたらしてきました。
2018年2月に開催された本制度のOB/OG同窓会には、インターン第1期生を含めて、計160名以上が参加し、本制度のネットワークの強さと持続性が証明されました。また、その際に実施したアンケート調査によると、民間企業就業者のうち20%が環境関連企業や部署、シンクタンク等に所属しており、7%は非営利組織に所属、そのうち5名は本制度の派遣先で就業したというような結果が出ました。また、40%のOB/OGは今も何らかの社会貢献活動に従事しているという喜ばしい成果もでました。このような実績を基盤に、2019年2月からはインドネシアでも同制度をスタートしています。
当財団のもう一つの大きな事業であり、開始して27年目となる「市民のための環境公開講座」は、市民の積極的な環境活動を促す目的で公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)・損害保険ジャパン日本興亜株式会社と協働で実施しています。これまで、開催回数は400回以上、参加者は21,700名を超えました。一般市民を対象に実施しており、講座内容は時代の変遷・社会のニーズを反映して多様化してきました。
2019年1月には、開講25周年記念として「市民のためのSDGsフェス」を開催しています。
この他にも、「環境保全プロジェクト助成」(NPO・NGOや任意団体の取り組む環境保全プロジェクトへの資金助成)や、「学術研究助成」(環境問題をテーマにした人文・社会科学系の博士号取得論文の作成にかる費用の助成)を実施しており、どちらも15年を超える実績があります。
近年、若者の社会貢献の分野が多様化し、とりわけ“環境”にフォーカスした活動に関わりたい学生が減っているというニーズの変化を感じることがあります。しかし、SDGsの達成に向けて世界が一丸となって取り組むにあたり、どの様な活動でも環境との関連性は常に念頭に置かなければならず、環境問題の重要性が低下することはありません。そのため当財団は、今後も上述の活動を中心に、未来を担う人づくりに尽力していきます。
各活動の詳細は下記のWEBサイトをご参照ください。
https://www.sompo-ef.org/