「未来をつくる人づくり」を生み出すコーディネーターがもっと活躍できる社会の仕組みをつくりたい
環境破壊、貧困・格差の拡大などの問題を抱える今の社会は“ 持続不可能な社会” です。これを“持続可能な社会”に変えていくためには、問題解決を政治家や専門家に任せてしまうのではなく、市民一人ひとりが未来をつくる一員として、学び、考え、行動する力を身につけて、社会に参画していくことが大切です。
ESDはそのための力や価値観を育む「学び」や「活動」の総称、平たく言えば「未来をつくる人づくり」です。
目指しているのは「市民力」を高め、「誰もが安心して安全に、そして公正に暮らしていけるような社会」を、民主主義を通して実現していくこと。そのために、大人も子どもも、知識獲得のみにとどまらず、参加や体験を通して自ら感じ考えることを重視し、現実社会の問題解決や地域づくりに一歩踏み出す経験を積み重ねることが重要です。
そのような学びの場は、多様な主体の協力によって生み出されます。ESD的な活動が、全国いたるところで行われるようになるためには、それを進める施策が不可欠であり、その要となるのが「コーディネーターを支える仕組み」であると私たちは考えています。
学校と地域のさまざまな主体をつなぎ、教員のESDカリキュラムづくりを支援する。地域において、さまざまな課題解決の場に市民の参画を促していく場をつくる。社会の課題解決に向けた多様な主体の協働を促す。そのようなコーディネーターが全国各地で活躍している状況を生み出す仕組みづくりに、私たちは2014年までの残り期間、全力を挙げて取り組んでいきます。
地域には、市民参加のコーディネーター、ボランティアコーディネーター、社会教育主事、教育支援コーディネーター、まちづくりコーディネーターなど、さまざまなコーディネーターが活躍しています。本プロジェクトは、これらのコーディネーターの皆さんにESD という考え方や手法を共有してもらうこと、そしてコーディネーターという職にはついていなくとも、社会の課題に取り組んでいる方々が多様な主体と連携していくための力(仮に、ESDコーディネーション力と呼びましょう)を強化することを目指し、研修カリキュラムの開発やテキストブックの制作に取り組みます。そしてそのような方々のネットワークを各地に、そして全国レベルで生み出すことを目指します。 ESD-Jは、ESD推進機関やコーディネーター養成機関などと協力し、このプロジェクトを通して、ESDコーディネーターネットワークのコアを作っていきたいと考えています。どうぞご協力・ご参加ください。