地域性とテーマ性のバランスが取れた魅力的な実践報告の刺激を受け、参加者がチームに分かれて「ESD を意識した企画づくり」に取り組んだ集合研修1 をふまえ、OJT 期間にチームごとで企画を練り上げ、集合研修2 では担当しているプロジェクトの企画書を発表しあいました。完成した企画書は以下の10 本、それぞれ個性溢れるものとなりました。
● 「地域力×医療×命」
~地域完結型の” 本当の幸せ” を目指して~
● 「まちづくり進化論の実践と検証」
~地域DNA のガラパゴス化と途絶防止のために~
● 「EXPO 東千田」
~東千田界隈の商店と並びの空き店舗を使ったマルシェ~
● 「戸坂産○○○でつくろう!」
~戸坂に伝わる母の味~
● 「もちつき&ファイヤー」
~父親が地域活動で交流するためのイベント~
● 「こどもじゃけぺでぃあ」
~クイズを通じて親子で広島のお宝を学ぶ~
● 「ひろしまちから」
~広島を本気でよくする市民・政治家をつくる~
● 「北広島×○○」
~北広島の資源発掘プロジェクト・今回は源流探検~
● 「広島のカッコいい!?大人に会おう!」
~子どものキャリア教育プロジェクト~
● 「北広島町交流体験・交流体験事業化会議」
~子ども農山漁村交流プログラムを通じて~
これらの企画内容をお互いに学び合い、フィードバックを行いました。その後、企画グループ毎に評価を行うためのシートをつくり、事業報告書のフォーマットに関して確認を行いました。
評価シートの項目の例として、1)事業企画的側面、2)プログラムデザイン的側面、3)運営的側面、4)進行的側面、5)成果的側面を挙げました。事業の実行前に評価軸を確定することにより、事業前、事業中、事業後と各プロセスにおいて事業評価ができるようにしました。
集合研修2 はこれで終了し、集合研修3 までの間の4 ヶ月間で各プロジェクトをグループ毎に進行しました。
集合研修3 では、事業報告書や評価表を元に各プロジェクトがどのような成果を挙げることができたのか全体で共有しました。大枠企画書の通り進行できたプロジェクトと、諸事情の調整の中で当初の実施内容と変わったプロジェクトがありました。地域のコーディネーションを行う場合、常に様々な流動的な要素の中で企画や評価内容を変更する必要があります。わずか数ヶ月の本研修の中でも、各プロジェクトの中でダイナミックな変化を遂げていることを参加者の発表を通じて感じることができました。さらに、参加者の中で「地域コーディネーターとして必要なことは何か?」をワークショップ形式で考えました。地域のことを思い、共感し、寄り添っていく力が、企画等のスキルを支える基礎的な力として必要なことを全体で共有することができました。
河野 宏樹(こうの ひろき)
環境教育事務所Leaf 代表。
学校、企業、自治体、公益法人等との協働を通じて環境・平和・国際協力を中心とした教育事業を行なうとともに、参加体験型学習のプログラム開発や指導者養成を行なっている。NPO 法人これからの学びネットワーク理事、NPO 法人ひろしまジン大学理事も兼務。