ESD-Jからのお知らせ

ESD-J代表理事による年頭のご挨拶

ESD-J会員の皆様、

2024年の年頭に当たり、一言ご挨拶申し上げます。

世界銀行は、2022年が不確実な年だったのに対し、2023年は不平等の年であったと2023年レビューにおいて総括しました。ようやくコロナ禍が収まったにも関わらず、SDGsの中間年総括ではSDGsの達成が危機的状況にあることが明らかにされました。世界の貧困問題はコロナ禍の下で悪化し、途上国の債務問題も深刻化しています。気候変動COP28では世界の平均気温を1.5℃目標に抑えるためには、さらに大規模な温室効果ガスの削減を早急に行うことが不可欠であることが判明しました。さらに10月にはパレスチナ・ガザ地区での紛争が勃発し、多くのガザの人たちが極めて深刻な人道的危機に陥っています。

そのような中で始まった2024年は、能登の大地震、日航機と海保機の衝突・炎上という思いもよらぬ幕開けとなりました。ESD-Jを代表して、能登をはじめとして被害に遭われた方々に対して深いお悔やみを申しあげるとともに、被災地の一日も早い復旧と明るい未来に向けた復興を心からお祈りいたします。

 2024年はチャレンジの年です。人間の尊厳、人権の尊重はESDの根幹をなすものです。パレスチナ・ガザ地区では一日も早い停戦と人道危機の回避が達成されるように私たちは繰り返し声を上げ続ける必要があります。また、ウクライナやシリア、南スーダン、アフガニスタン、ミャンマー等での人道危機への対応も重要です。

2024年2月26日~3月1日にかけてケニアのナイロビで第6回国連環境総会(UNEA6)が開かれ、地球が直面する3つの危機(気候変動、生物多様性、環境汚染)にどう立ち向かうべきか議論されます。2025年の気候変動COP30に向けて、我が国を含む各国はさらに高い削減目標を提示することが求められます。国連で議論されているプラスチック条約は、2024年末の合意を目指して議論が進められています。

私たちは、本年、それらの困難な課題に立ち向かい、道を切り開いていかなければなりません。そのためには、積極的に社会の変革に向けた取組に参画し、持続可能な社会の構築に貢献するような人材の育成、すなわちESDがますます重要になります。ESDのさらなる普及に向けて、会員の皆さんと力を合わせていければと願います。

ESD-Jは、2022年度から2年間をかけて、その組織基盤強化に向けた取り組みを進めてきました。本年の総会において結論を出し、組織改革を図りたいと考えています。特に、会員とのコミュニケーションの強化、理事の役割の明確化、可視化を強力に進めたいと考えています。

 引き続き皆様の温かいご支援とご鞭撻をお願いして、私たちの年頭の挨拶とさせていただきます。

2024年1月
ESD-J代表理事
小玉敏也、鈴木克德

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